ドル/円最高値、今後の動きは・・・
東北・関東大震災以降、一時的に円高が進み1USドル=76円25銭という未曽有の水準に突入しました。その後は各国中央銀行の協調介入等で80円台を回復しています。
円高に進んだ背景として、保険会社が保険金支払いの為に外貨建て資産を処分するという噂や、95年1月の阪神・淡路大震災のあとに、100円前後から当時の最高値79円75銭まで円高が進んだことの連想が働いたことなどが挙げられそうです。
では、1995年は、実際のところはどのような動きだったのでしょう?当時のUSD/JPYの推移です。
グラフ1 http://mpse.jp/tkymail/c.p?12c6n5V1Lqc
震災直後はほとんど動きがなく、2月後半から円高傾向が強まり、震災のほぼ3ヶ月後の1995年4月19日に79円75銭を付けています。この間、政府は2兆円強のUSDの買い介入を行っていますが、売り方の絶好の売り場を提供しただけでした。一方、日本銀行はというと、
グラフ2 http://mpse.jp/tkymail/c.p?32c6n5V1Lqc
グラフ3 http://mpse.jp/tkymail/c.p?52c6n5V1Lqc
特に目立ったオペレーションを行ったわけではないようです。また、政府が行った為替介入のための円資金も不胎化してしまったようです。一方、アメリカの方は1995年初頭あたりから好景気でマネーストックが急増していましたから、USD安にはなりやすかったのではないでしょうか?
グラフ4 http://mpse.jp/tkymail/c.p?72c6n5V1Lqc
では、今回の動きです。
グラフ5 http://mpse.jp/tkymail/c.p?92c6n5V1Lqc
76円25銭は衝撃的ですね。その翌日には協調介入も入りました。また、95年の時と異なり日本銀行も潤沢すぎるくらいに資金を供給しています。
グラフ6 http://mpse.jp/tkymail/c.p?b2c6n5V1Lqc
この調子で潤沢な資金供給が行われ続ければ、80円台半ばまで戻すのは時間の問題かな?
テクニカル分析派に人気のピボット指数で為替相場の行方を探ります。高値更新のラインを探る分析にお役立てください。
基準値は、前日の高値、安値、NY市場の終値をもとにしています。
H:ハイ・ブレイクアウト・ポイント(新しいトレンドの発生の可能性)
R:レジスタンス(上値の目途)
S:サポート (下値の目途)
L:ロー・ブレイクアウト・ポイント(新しいトレンドの発生の可能性)
<ドル/円><ユーロ/円><ユーロ/ドル><ポンド/ドル>
H 81.676 116.101 1.43064 1.65290
R2 81.485 115.826 1.42777 1.64664
R1 81.225 115.384 1.42359 1.64162
基準値 81.034 115.109 1.42072 1.63536
S1 80.774 114.667 1.41654 1.63034
S2 80.583 114.392 1.41367 1.62408
L 80.323 113.950 1.40949 1.61906
チャート分析でシンプルトレードを心がけよう
英語でいうとチャート分析とかテクニカル分析とかスマートなイメージですが、日本語で罫線(あるいはケイ線)分析というと、なんとなく投機的で胡散臭い雰囲気になるから不思議です。
筆者の手元に「酒田五法は風林火山」というケイ線分析の極意書(日本証券新聞社編集局編著・初版は昭和44年)がありますが、文中いたるところに「仕手筋」だの、「ドテン売り越し」、「ケツ入れ」など、今ではあまり聞かない相場用語・スラングがこれでもかと登場し、昭和の相場にタイムスリップした気分を味わうことができます。
思えば筆者が為替市場に飛び込んだ昭和末期には、どこのディーリングルームにも博奕打ちのようなディーラーがいて、グラフ用紙に手書きでローソク足をつけていたものです。
米国式のテクニカル分析では、RSIだのMACDだのボリンジャーバンドだの難しい計算式を使って算出する指数が好んで使われますが、江戸時代の米相場から発祥したケイ線分析は、ローソク足の組み合わせに人間心理や森羅万象がすべて集約されているという考えに立っています。24時間休みなく取引されている為替市場でのケイ線分析に疑問を呈する向きも少なくありませんが、いくつかのパターンは為替市場でも出現することがあり、覚えておいて損はないと思います。今日はその代表的なものをいくつかを紹介しましょう。
◆はらみ線 http://mpse.jp/tkymail/c.p?j2c6n5V1Lqc
当日のローソク足が前日の値幅以内に収まる型。上昇過程の中で長大陽線に陰線がはらんだ場合を「陽の陰はらみ」といい、下落の兆候とされます。最近のドル円相場では、昨年の1月8日、2月19日、4月5日、12月16日に「陽の陰はらみ」が出現し、いずれも当面の天井をつけています。逆は「陰の陽はらみ」で、買いサインとなります。
◆首吊り線 http://mpse.jp/tkymail/c.p?l2c6n5V1Lqc
古参の為替ディーラーが最も忌み嫌う天井のサインで、実体が短く、下ヒゲの長い足。下ヒゲが長ければ長いほど転換の兆しが強いとされます。為替市場ではめったに現れませんが、ドル円では2009年の10月26日に出現し、当面の天井をつけた例があります。
◆捨て子線 http://mpse.jp/tkymail/c.p?n2c6n5V1Lqc
ポツンと捨てられたように前後に窓をあけた寄引同時線(十字線)です。いわゆる勢力の分岐点で、上昇局面で出た場合、翌日の動きが下落なら反転・暴落の兆しとなります。逆に翌日の動きが上昇なら、さらなる上昇トレンドの強化と読むことができます。ドル円では昨年の8月13日と9月17日に出現し、当面の天井となった例があります。
◆たくり線 http://mpse.jp/tkymail/c.p?p2c6n5V1Lqc
下降相場において下放れして、長い下ヒゲを伸ばして引けた陰線。深い井戸からたくり上げる勢力の発生を意味し、買いシグナルとなります。週足ベースではありますが、実は先週のドル円のローソク足が「たくり線」になっています。果たしてこれは円高相場の終焉を示唆しているのでしょうか?
このように、ケイ線分析には相場の天底を言い当てているケースも少なくなく、ここで紹介した型以外にもさまざまなパターンがあります。ネットで「酒田五法」を検索してみれば、図解入りの解説ページがいくらでもヒットします。これらのうち自分のお気に入りを見つけたら、たとえば「陽の陰はらみが出現したら売り」、「寄り引け10銭以内の十字線が出たら翌日の寄り付きで順張り」といった売買ルールを作ってみるのもいいと思います。
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